オヤジの闘病回想記

ブログ「猫と杖とキャンピングカーと」に登場する1956年生まれのオヤジが約40年前に大怪我をし、躰の自由を奪われ人生観が激変、現在に至るまでの葛藤を綴った記録です。

ストレスフリー

他部署で「鬱」から復職した彼を思うと私が20代前半に頚髄損傷で四肢麻痺となり絶望しかなく自分の異常思考をコントロールできなかった頃、救ってくれたのは会社の上司や同僚の思いやりが一番の支えであったと会社に復帰してからそう思えたのであった。

復職してからは自分を鼓舞し精神的にも辛いときはあったが何とか会社勤めを続ける事ができ、30代半ばで管理職になれたのであった。

20数名の部下と仕事ができ、更にはある程度自活できるまでになり人としての喜びを感じていた矢先に役員の一言で決まった人事異動で鬱病から復職した課員を引き受けたのには、私が苦しんでいた時に会社や労働組合や職場の方々に恩返しではないが私なりの行動で彼を何とかできないかと、うぬぼれかもしれなかったが正直同じ職場の仲間として思うばかりであった。

四肢に障害がある私に何ができるのか、心の病と言われた鬱の事を色んなチャンネルを使い自分なりに理解することに全力で取り組んでいたのであった。

鬱という病で自殺した高校の同級生を思い出し、お通夜に両親から聞かせれたのは「まさか自殺するほど思い詰めていてとは・・・」という言葉に人事異動で受け入れ復職した彼を重ね合わせていたのであった。

管理職として彼には「何がストレスフリー」なのか産業医や上司とも協議したが答えは見つからずただ時間だけが過ぎていく感じであった。

そもそも鬱になった原因が会社での人間関係なのか、仕事なのか、家庭なのかハッキリしないのであった。

私は無性に知りたくなったのであった。

私は腹を括り、彼を勤務中ではあるが会社を離れ喫茶店でお茶をしたのであった。

私は会社ではなく社外の雰囲気の中で彼とたわいも無い話をしながら、彼の懐に近づきたかったのであった。

私はまず自分の過去を話したのであった。


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