オヤジの闘病回想記

ブログ「猫と杖とキャンピングカーと」に登場する1956年生まれのオヤジが約40年前に大怪我をし、躰の自由を奪われ人生観が激変、現在に至るまでの葛藤を綴った記録です。

2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

やっぱりダメなのか?

手術して2ヶ月後位の回診でレントゲン写真を見ながらS助教授とF氏が何やら話していた。 そこで告げられたのが、コルセット装着しベッドを30度位まで起こして良いとのこと。回診後、直ぐに私は病室のヘルパーさんに頼んでベッドを起こしてもらったが、少し貧…

「前例がない」だけど

ベッドでリハビリを受けはじめ1ヶ月位すると、両肘、手首の屈伸は大分柔らかくなり、全身に感じていた痛み痺れも、馴れてきたのか日々を追うことに少し変わってきた。その頃、ただベッドに横たわり移植した骨が上手く固まるのを待つしかなかったが、左手の小…

リハビリテーションはじまる

前方固定の手術から1週間してからF氏がポータブルレントゲンを引き連れて現れた。 少し話をしてから、仰向けで1枚レントゲン撮って帰って行った。それから1週間間隔でレントゲンを撮って、1ヶ月したところで、S助教授とF氏が現れ「明日からベッドでリハビリ…

手術後の朝

手術の翌日は検温で目が覚めた。 看護師さんが脈をとり血圧計の水銀柱を診て排尿袋や点滴など確認してカルテに書き込んでいた。 その後、少し会話してまた目を閉じた。 暫くしてから違う看護師さんが蒸しタオルを患者に配っていた。 頚髄損傷の患者には、顔…

暗闇からの悲しい目覚め

手術の日の朝、看護師さん達がストレッチャーを押しながら私のベッドに横付けした。 挨拶され手術室に運ばれた。また全身の体毛が剃られた。 頭の先から足の先まで、眉毛までも、間抜けな顔なんだろうなと思ったが2度目の辱めと思っていると点滴やら注射やら…

前方固定手術の告知

日本式のハローベストを装着してから約2ヶ月。 7~8枚のレントゲンを撮ってきたが思うように骨が固まっていないらしい。その日の回診時でも、特に話をするでもなく、ただ横たわる私をチラ見しながらF氏とS助教授が数枚のレントゲン写真を診ながら、固定しよ…

整形外科医は手先が器用なのか?

気づくと見慣れた天井の病室のベットに仰向けに寝かされていた。 新たに装着したハローベストは、頭のリングと腰のリングが支柱で固定されているので上半身が宙に浮いている。 しかし、仰向けに寝ていると、みぞおちあたりが自重で下がり背中が猫背みたいに…

日本式ハローベスト装着

またあのリングだ。 予想は的中した。 剃った頭を少し持ち上げ、小さい方のリングがこめかみくらいのところにセットされた。 F氏がおもむろにプラスドライバーを手にしたかと思いきや、先が尖ったボルト4本(頭の前後)を容赦なく締めていった。 ボルト先端…

借用ハローベストとの別れ

今朝はF氏の回診ではじまった。 今日からようやくベッド上で仰向けに寝た状態から上半身を15度くらい起こすことになった。褥瘡も治り、食事は看護師がスプーンでよそい、私の口に運んでもらいながら食べていた。 消化が良さそうな、おかゆと魚をほぐした「猫…

入院見舞いの社交辞令

今日も暮れなずんでいく、都会の高層ビル群をこの窓から見ている。自分の意思で動かすことが出来ないこの不自由な躰。頭のパーツだけが機能している。あの時から時間が止まったまま。この景色をぼーっと見ながら・・・ この先どうなるのか、全身麻痺状態で免…

頚髄損傷(頚損)の入院生活

日本に帰って来て、ハローベストを装着したまま天井だけ見て早1ヶ月。 首から下の躰に感じる痛み、痺れの感覚に変わりなく、体臭が鼻をつき自分でも我慢の限界だった。F氏が回診に来て、「腰辺りに褥瘡(じょくそう:いわゆる床ずれ)が出来たので躰を左右交互…