オヤジの闘病回想記

ブログ「猫と杖とキャンピングカーと」に登場する1956年生まれのオヤジが約40年前に大怪我をし、躰の自由を奪われ人生観が激変、現在に至るまでの葛藤を綴った記録です。

日本式ハローベスト装着

またあのリングだ。
予想は的中した。
剃った頭を少し持ち上げ、小さい方のリングがこめかみくらいのところにセットされた。
F氏がおもむろにプラスドライバーを手にしたかと思いきや、先が尖ったボルト4本(頭の前後)を容赦なく締めていった。
ボルト先端は頭皮を突き破り頭蓋骨に到達。更に2~3回増締めした。
グワ~ッ~~つ。またかよ~。

何で痛みを感じるところに麻酔無しでやるの?
痛みを感じないところに腰椎麻酔なんかして・・・
正直、頭に来た。

頭の次は何なんだ~。
これから先は未知の領域。仰向けに寝かされF氏とS助教授が腰のレントゲン写真を診ながら相談していたが会話は聞こえなかった。

以下は後日談の要約です。
仰向けに寝かされ私の骨盤の前側の左右の出っ張ったところにマーキングする。
仰向けのマーキングが終わると私を捻り背中側の仙骨の平らなところに2箇所マーキングする。
マーキングは全部で4箇所。
腹と背中のマーキングを頭上から見てマーキングをそれぞれ線で結ぶとVの字となる。
マーキングに沿ってVの字になるようにボルトをねじ込んでいく。
手術は仰向けに寝かせ腹側のマーキングした場所から背中側のマーキングした場所にめがけ手回しドリル(チャククリックボールみたいな)で回転させながら先の尖った長さ約50cm位のボルトをねじ込んで貫通させる。これを左右行った。とのことだった。

腰骨を貫通した2本のボルトはVの字になり、足先から大きいリングをくぐらせ2本のボルトとリングが交差する前後4箇所で固定していた。

頭上から見ると大きなリングの真ん中に腰が浮いている状態であった。

これで頭にリング、腰にもリングが取り付けられ首を固定する準備が出来た。
まず頭と腰のリングに前側2本、後側2本の支柱(ステンレス鋼)が仮留めされ、4本の支柱の長さを調整しながら顔や顎の向きや高さを決めていった。少し首が引っ張られる感じで、怪我した当初の鉄氷バサミで引っ張られた感覚を思い出していた。

固定し終わると看護師や助手らが私の躰を手術台の上で上半身を起こし、リング固定ビスを増締めしたり、頭と胴体が捻れてないかの確認をしていた。が・・・

この手術中、私の意識はハッキリしていたが、上半身を起こしたとき貧血で気を失ったみたいである。

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