オヤジの闘病回想記

ブログ「猫と杖とキャンピングカーと」に登場する1956年生まれのオヤジが約40年前に大怪我をし、躰の自由を奪われ人生観が激変、現在に至るまでの葛藤を綴った記録です。

2019-05-01から1ヶ月間の記事一覧

オムツでリハビリ施術

手術後5ヶ月過ぎ6ヶ月に入ろうかという時期に、私にもベッドのリハビリから院内にあるリハビリ室での本格的なリハビリが始まった。私のリハビリは昼食後の14時から始まるが、ただすんなりベッドから車椅子で行けるのではなくいろいろ下準備が必要であった。…

昨日今日明日

バルーンカテーテルを抜き自力で排尿するようになって暫くは、尿意を感じないまま時間だけが過ぎていった。意識して水分を取りながら尿意を感じる時を待っていた。そして、遂に下腹部あたりに尿意と言うより膨満感を感じ、意識を集中した。毛布をめくること…

頚髄損傷患者の名物親子

バルーンカテーテルを取り、自力で排尿する頃から隣のK氏と良く話すようになった。お互い同じ頚髄損傷と言うこともあり、互いの躰の状況がどうなのか、なんとなく比較しながら、一喜一憂していた。K氏は私とF氏の回診を聞いていたらしく、「排尿は自力になっ…

バルーンカテーテルとおさらば

両足の親指が僅かに動きはじめて、私はベッドの上で両腕、両脚、腹筋を順番に動かし、自分なりのリハビリメニューをこなしていた。ベッドを80度くらい起こした状態で両腕の曲げ伸ばしは水平方向で出来るようになった。 左腕は上下方向でも出来たが右腕は出来…

心が引き裂かれそうな夜

手術後5ヶ月が過ぎた頃、私の皮膚の感覚は、毎朝の清拭の感じ方が前日と同じように感じる日もあれば、違う日もあり、また、自分の感覚では曖昧さがあったが、F氏がボールペンでツンツンしながら皮膚の感じる感じないの境界線を日別に引いていた線が、確実に…

頚髄損傷の膀胱炎

手術後4ヶ月過ぎコルセットを装着しながら、ベッドに仰向けでリハビリを受けていた。四肢の各関節の可動域や柔らかさは、リハビリを始めた頃に比べかなり改善されていると理学療法士のM氏が口癖のように言っていた。ただ握力は数百グラム位か、計測器では計…

人間らしさ・・・とは?

手術から3ヶ月過ぎた頃、担当医のF氏が例の如くポータブルレントゲンを連れて回診に来た。1回/週のレントゲンである。 何時ものように首のレントゲンを撮り少しばかり会話をした。 怪我してからの躰に感じる痛み痺れは手術後、時間と共に軽減された部位や、…

お願いだから奇跡よおこれ!!

入院患者同士で新しく入院してきた患者を見て医者まがいな話(診断)をする患者がいるが、隣のベッドのK氏や私の正面のS氏が正にそうであった。K氏は友達のバイクの後ろに乗って事故に遭い頚髄損傷となり、手脚に障害があり現在リハビリの治療中で毎食後はベ…

変化点

あれから毎日、自分の意思で動かせる両手はグーとパーを繰り返し、まだ動いてはいない両足の指を同じくグーとパーするように懸命に力みながらやっていた。 拳を握るだけでもかなり疲れる。息が上がる。 額が汗ばむ、息が整うまでベッドにもたれながら、窓の…