オヤジの闘病回想記

ブログ「猫と杖とキャンピングカーと」に登場する1956年生まれのオヤジが約40年前に大怪我をし、躰の自由を奪われ人生観が激変、現在に至るまでの葛藤を綴った記録です。

2019-03-01から1ヶ月間の記事一覧

頚髄損傷で帰国

成田空港から点滴などされたまま民間の救急車に乗せられ、日本医科大学の集中治療室に運び込まれた。 Dr.ノウィッキーと大学の教授、助教授、講師、医局員らが私のそばで話しはじめていた。 Dr.ノウィッキーは、この患者は最終的に松葉杖等を使い自立歩行が…

帰国準備

カセットテープの両面を何度か聴いたあと、日本に帰る段取りが始まり、日本大使館員の名前は忘れたが、色々動いて頂いた。 (これより以下は40年前の記憶につき徐々に薄れ不確かな部分については割愛してます。) 問題があった。日本にどうやって移送するか…

自分の人生に自問

翌日だと思うが、ジョン牧師がカセットテープとラジカセを持って現れた。 ラジカセをベット横のテーブルに置き、カセットテープをラジカセにセットしているようだった。この時は、うつ伏せ状態なので直視出来なかった。やがて「コンドルが飛んでいく」の唄が…

絶望と切望の狭間

今日は点滴の種類が変わったからかヒリヒリ、チクチク、ズキズキの痛みは少し穏やかに感じた。 反転地獄でうつ伏せから仰向けになったタイミングでジョン牧師がやってきた 部屋の隅にあったパイプイスを反転ベッドの側に置き静かに腰掛けた。 日本人だからか…

反転地獄に牧師

集中治療室のとなりの病室に移動してから相変わらず反転地獄は続いていた。目を閉じ、激痛に耐えていた。 人の気配を感じた。またドクターかナースかと思い目を開けると、白髪交じり50代位の見知らぬオッサンが牧師さんの出で立ちで側に立っていて、こちらを…

生き地獄のはじまり

(一部少し過激な表現があります。ご注意願います) もう、どれだけの時間が流れたか判らないが1時間毎の反転地獄は相変わらず続いた。全身に常時発する激痛も続いていた。痛みを例えると火傷で爛れた皮膚をタワシでゴシゴシされている感じである。 手足の感…

恐怖と不安、そして孤独

恐怖のはじまり 正確には判らないが、あれから1時間程経っただろうか? ドクターとナースの足音が近づいてくる。恐怖を感じる。今度は何をするつもりか?判らないだけに恐怖でしかない。 仰向けに寝かされ、鉄氷ばさみみたいな器具で頭を挟み引っ張られてい…

不慮の事故、そして頚椎骨折

絶望のはじまり 永年勤めた会社を59歳で退職し早3年。 62歳のオヤジは毎日ストレスフリーで過ごせてるように見えて・・・・実はかなりの病持ち。 中学生の頃、部活で右手首を骨折したことはあるがいたって健康体であった私が、20代の頃、不慮の事故で首を骨…