オヤジの闘病回想記

ブログ「猫と杖とキャンピングカーと」に登場する1956年生まれのオヤジが約40年前に大怪我をし、躰の自由を奪われ人生観が激変、現在に至るまでの葛藤を綴った記録です。

反転地獄に牧師

集中治療室のとなりの病室に移動してから相変わらず反転地獄は続いていた。目を閉じ、激痛に耐えていた。

人の気配を感じた。またドクターかナースかと思い目を開けると、白髪交じり50代位の見知らぬオッサンが牧師さんの出で立ちで側に立っていて、こちらをなんとも言えない表情で見つめていた。

これはッ。幻覚なのか?夢でも見てるのか?ついにあの世へのお迎えか?

自分は浄土真宗なのに、なぜ牧師?ちょっと違うだろ~。!これは現実か・・・混乱してる・・・

すると牧師が私はジョン〇×△#※∅です。(今はフルネームを思い出せない)

と言いながら仰向けに寝かされ胸辺りにあった私の左手を両手で優しく包み込み込むように握り、跪いて小声でボソボソ祈りを捧げてくれた。
祈り終えるとその牧師の頬には涙が伝っていた。

何で!泣いてるの?・・・泣きたいのはオレの方だよ!まだ幻覚なのか?

見知らぬオッサンがなぜ祈りを捧げてくれたのか?ひとまず私は丁寧にお礼をいい、名前は〇〇です。と名乗り、すぐさま今日の日付を尋ねた。

この時、怪我して6日経ったことを知った。
時間の経過から、今起きてることはやっぱり現実なんだ!とも理解した。・・・

ジョン牧師が出口に向かいながらSee you later.との言葉を残し部屋を出ていった。
私も咄嗟にSee you later.と返していた。

また、一人になり、ジョンと名乗った牧師が来たのは、若い私の命が異国の地で燃え尽きようとしているから安らかに燃え尽かせようと儀式が行われたんだっと思った。

いよいよもってあの世へ旅立つ日が近いことを悟った。また眼汁がでた。

何がSee you later.だ~ッ。チクショウ。




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